私がペーパーウェイトを手に入れるまで/59番目のマリアージュ(アルテイシア)

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育てるのが得意な夫

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子どもをもたないと決めた我々夫婦は、ラーメンマンとプリンスカメハメという二匹の猫を育てている(夫の尊敬する人物から命名)

 

締切前でテンパってる時、猫がカマッテ攻撃をしてくると「いま忙しいから後で!」と追い払う私。一方、夫はどんな時も愛情がブレない。

風呂上がり、ビッシャビシャの状態で猫にかまってと要求されても応じる。全裸で片ヒザ立ちで猫を撫でている夫を見ると「未来からやってきたターミネーター?」とギョッとする。

 

夫はトカゲやクワガタも飼っているけど、「育てるのが得意だなあ」と感心する。

私も夫に育て直されている気がする。

 

結婚した後も、たまに情緒不安定になることがあった。そんな時、夫は「よし、かめはめ波の練習をしよう!」と言った。

 

夫「さあ、かまえて!ヘソの下に力を入れて!」

アル「(例のポーズで野沢雅子の声マネで)か…か~め~は~め~」

夫「もっと気合いを入れて!」

アル「かっ…か~め~は~め~!!!」

夫「うん、いい感じになってきた」

 

いい感じにかめはめ波が出たかは不明だが、真剣にやってる自分がおかしくて、元気は出た。

 

過去の私は「僕が救ってあげるよ、結婚しよう」とプロポーズしてきて「やっぱこんな面倒くさい女は無理、サヨナラ~」と去っていく、そんな捨て猫を拾ってまた捨てるような男たちと付き合ってきた。

そのたびに深く傷つき、七転八倒どころか57転58倒したけれど、59番目の夫に出会って「人生、捨てたもんじゃねえな」と思った。

 

マリアージュとはフランス語で「結婚」の意味。また「もともとふたつで別々だった存在が、あたかもひとつの存在のように調和した状態になること」という意味もあるらしい。

 

「夫に育て直されている」と書くと、歪んでいるように見えるかもしれない。でも歪んでない人間なんていない。夫だって歪んでいるし、私たちは歪んだままでピッタリと合った。

我々のマリアージュはフランス料理のように見栄えのするものではなく、「割れ鍋に綴じ蓋」なのだと思う。

 

百組の夫婦がいれば、百種類のマリアージュがあるのだろう。

 

…ここまで読み返して「初老の元ヤリマンのおノロケコラムみたいになってるけど、ええんか?」と疑問が浮かんだ。浮かんだけど、岩倉さん(AM担当者)がいいって言うから、まあいっか。

 

私は夫の存在に救われたけど、もちろん不満がないわけじゃない。

たとえば夫は食事中、100%食べ物をこぼすのでイラッとする。でも猫をヒザにのせながらカレーライスを食べている時、猫の頭にカレーをこぼして「しまった、ラーメンマンがカレクックになってしまう!」と叫ぶのを聞くと「やっぱ面白いわ、結婚してよかった」と思う。

 

「結婚っていいですか?」と聞かれるけれど、「結婚=幸せ」じゃない。

言うまでもなく、結婚していても不幸な人はいるし、独身でも幸せな人はいっぱいいる。そもそも人間はみんな違うし、幸せは人それぞれ。

私は「結婚」したことではなく、夫という人間に出会ったこと、その夫と過ごす日々を幸せだと感じる。

 

そんな私たちの割れ鍋に綴じ蓋な日々を綴っていこうと思います。

巨人に扮した夫 巨人に扮した夫

 

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Text/アルテイシア

 

次回は【結婚したら「お母さん」もセットでついてきた】です。お楽しみに。

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