結婚したら「お母さん」もセットでついてきた/59番目のマリアージュ(アルテイシア)

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三回目のデートで夫が告白したことは

 

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Photo: Gareth Williams

夫は私にたくさんの“初めて”をくれた。

たとえば三回目のデートの日、並んで歩いていた夫がふと立ち止まり、真剣な横顔で呟いた。
「肛門がかゆい」

アル「えっ…?」
夫「肛門がすごくかゆい」

三回目のデートで告白はよく聞く話だが、まさか肛門のかゆみを告白されるとは。
ズボンの上から尻を掻く夫を見つめつつ「ウンコした後、ちゃんと拭いてる?」と聞くと「むしろ拭きすぎてかゆい」と言う。

アル「紙でこすりすぎじゃないの?ウォシュレットは使ってる?」
夫「もうガンガンに使いまくってる」
アル「ウォシュレットの使いすぎもよくないそうよ、肛門が退化するらしい」
夫「肛門が退化?」

そこから「では逆に肛門の進化とは何だ?」という話になり、肛門にミギーならぬアニーという謎の生命体が寄生して人類を捕食しまくる。もしくは排泄したウンコを自在に爆弾に変化させるスタンド能力、などと語り合った。

夫に出会う前は「素の自分を見せたら男は離れていく」と思い、相手に合わせてトークしていた。でも言いたいことも言えない、アナルの話もできない相手とは暮らせない。

三回目のデートで、ケツの穴まで丸出しトークをしながら「こんなの初めて…」と私は密かに感動していた。

また、私は夫に出会って初めて「家族」を知った。

血のつながった家族はいたが、私が小学生の時に父は家に帰らなくなった。その後、両親は離婚して、弟は父方に引き取られた。母はどんどん不安定になり、アルコールに溺れて、リストカットやオーバードーズをするように。
家は安心できる場所ではなく、私は子どもでいられる時間が少なかった。

なので余談だが、私は『とと姉ちゃん』が嫌いだ。
「父親代わりになって家族を守れ」と呪いをかけられた主人公の、子どもが子どもでいられなかった悲劇を、イイ話のように描いているのがムカつく。木村多江演じる母親に「それは大人の仕事やろ、おまえがしゃんとせえ!」と説教したくなる。

私は夫と結婚して初めて、安心できる家を手に入れた。

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