「傷と金の話とメメントモリ効果」子宮全摘1周年記念⑤/59番目のマリアージュ
以前も書いたように、私は「傷=カッコイイ」という認識なので、手術の傷が残るのは全然平気だった。ちなみに不死身の杉元も好きだが、推しは谷垣ニシパだ。(©ゴールデンカムイ)
腹腔鏡手術(腹部に穴を開けて、そこから器具を挿入して行う手術)をした女友達も「銃創みたいで渋いやろ?」と自慢していたので、類は友を呼ぶのかもしれない。
もちろん、手術の傷が気になる人もいるだろう。
子宮摘出手術には、開腹手術と腹腔鏡手術があって、腹腔鏡手術の方が傷も小さく回復も早い。
私は850グラムのメガ子宮に育っていたため、開腹手術になった。個人的に丸ごとの子宮と対面したかったので、それでよかったと思った。
開腹手術には縦切りと横切りがあって、筋腫の大きさや位置によって決まるらしい。一般的に縦切りの方が手術しやすく、横切りの方は傷が目立ちにくい(恥骨のあたりを横一直線に切るのでパンツに隠れる)というメリットがあると聞いた。
私は縦切りで手術して、ヘソ下5センチから下方に約10センチの傷が残っている。
手術後は赤く腫れていたが、1年たった今は幅1ミリ程度の白い線+結び目になっている。傷の治りも個人差があるだろうが、近くでじっくり見ないとわからない程度だ。
それに、女の腹はまあまあ線だらけだ。パンツの跡やパンストの跡が縦横無尽についていて、どれが傷だかよくかわらない。
術後、スーパードクターK(カッパ)先生は、私の「腹の傷が裂けませんか?」というアホみたいな質問にも「見えないところを四重に縫ってあるので裂けませんよ」と優しく答えてくれた。
そして、傷をキレイに治すための医療用テープの貼り方を指導してくれた。「美容クリームとか塗る人もいるけど、逆にニキビができちゃうから」と細やかな気づかいで、カッパに見えてギャルなのかもしれない。
ちなみに夫もヒジを故障して手術を受けたのだが、担当医に「なるべく目立たないように縫いますが…」と言われて「別にいいです」と返したら「さすが格闘家ですね!」と言われたらしい。
だがこれは格闘家というより、中二病だからだ。若い頃の彼はストⅡのサガットに憧れて、コスプレ姿で街を練り歩いたという。
やはり中二病は中二病を引き寄せる法則があるのだろう。