私と夫は趣味が合わない/59番目のマリアージュ

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59番目のマリアージュ

 

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私と夫は趣味が合わない。

 

まず食べ物の趣味が合わない。そもそも夫は食に興味がなく「腹が膨らめばいい」という人間だ。夫と外食すると全て丸飲みするのでイラッとするため、美味しい店には女友達と出かける。

 

先日、お土産で洋菓子をもらったので「フィナンシェは好きか?」と聞くと「わからない」と夫。それでも神戸っ子ですか!と思いつつ与えると「なんだ、蒸しパンか」と言いながらムシャムシャ食べていた。

「フィナンシェは蒸しパンじゃねえ!!」と取っ組み合いにならないのは、食に興味のない夫の方が楽だからだ。

 

グルメな夫から手料理にケチをつけられたら「てめーは海原雄山かオラ!!」と取っ組み合いになるだろう。その点、夫は何を作っても丸飲みするし、三日連続カレーでも平気だ。

 

彼氏とこじゃれたレストランに行って高級ワインを頼まれたら「やだ素敵♡」となっても、それが夫だと「てめーそのワインいくらするんだ?」と肩をつかむだろう。それこそ血反吐を吐いて子育てしている時に夫が高級ワインを飲んで帰ってきたら「金玉粉砕するのは今!」と拳を握るに違いない。

 

パートナーに求める条件は人それぞれだ。「食の趣味が合わない人は無理、そこは譲れない」という人もいるが、私はそこはどうでもいい。食道楽な女友達は大勢いるので、そっちと楽しめばいいと思っている。

 

ちなみに私は好き嫌いがないのだが、唯一、くさやだけは「これウンコやんか」と思って食べられなかった。その時はバーベキューで焼いたのだが、放置されたくさやにハエがたかっていたので、やはりウンコなのだと思う。

 

ウンコはさておき、私は酒を飲むのが趣味だが、夫は酒がほとんど飲めない。

数年前、缶チューハイを2本飲んだ夫が「あ…頭がフラフラして心臓がバクバクする…きゅ、救急車…」と三点リーダーまじりに言ってきたので「それは酔っ払っているのだ」と説明した。

私は馴染みのバーに1人でふらっと飲みに行くのが好きなので、夫が飲めなくてもかまわない。

 

夫とは旅行の趣味も合わない。「淡路島でも行こうか」と提案したら「じゃあ野宿しよう」と言われて「じゃあって何だ!」と返した。

 

そんな我々だが、新婚時代に一度だけ福井県に旅行したことがある。

恐竜博物館に行った後、私が予約した温泉旅館に泊まったのだが、夫は「俺は部屋のシャワーで結構だ」と主張して「なんのための温泉か!」と私に説教されていた。

べつに体に金塊の隠し場所が彫られているわけじゃなく、夫は湯につかることに興味がないのだ。

 

会社の慰安旅行で温泉旅館に泊まった時も、夫は温泉に入らず、近くの河原で腹筋していて「やはりあいつはキチガイだ」と噂されたらしい。

また、夜の宴会で「何か芸をやれ」とムチャぶりされて「ドラえもーん!しずかちゃんがヤラせてくれないんだよ~」「ほんやくこんにゃく~!さあ、これに切れ目を入れてしずかちゃんの代わりに」という即興ネタを社長や専務の前で披露して、上司に叱られたらしい。

 

だが、そこがいい。やはり私はキチガイと呼ばれるタイプが好きなのだ。とはいえ旅行は女友達と行くのが一番楽しいので、年に数回、JJ(熟女)旅に出かけている。

 

私が飲みに行こうが旅に出ようが夫は何も言わないし、私も夫の行動を縛ったことはない。2人で決めているのは「生きて帰る」というガバガバのルールだけだ。

我々は趣味は合わないが「束縛するのもされるのも嫌い」という価値観が一致している。好きなものより嫌いなものが合う方が、夫婦はうまくいくんじゃないか。

 

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