私以上に無意志な夫との「結婚式の思い出」/カレー沢薫

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結婚式の思い出

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二次元の男に関する絵空事は4歳のころからしていた私だが、「アイドルになる」とか自分にスポットライトが当たる系の妄想はしたことがない。よって自分の結婚式など夢想したことなど一度もなかった。

しかし、実際結婚式はした。

当初しない予定だったが、親に「した方がよいのでは」と言われ、確固たるしたくない意志もなかったのでしたのだ。

だがら、結婚式は「これがしたい」というより「キスはしたくない」「親への手紙はしたくない」「余興はしてくれる友人がいないのでできない」等、したくないことから消去法でプログラムが組まれていった。

 

そして夫は私以上に無意志であった。

夫の唯一の希望は最後にSMAPの『世界に一つだけの花』を流したいというものだった。

 

なんて素直な人なんだろうと思った。

私のような、自分の存在がマイナーな人間は、メジャーなものを良い悪い関係なく「メジャーだから」という理由で避けてしまったりするものなのだ。

 

思えば、夫は、ジャンプ・サンデー・マガジンを購読し、『進撃の巨人』を集めている世界で一番私の漫画に用がないタイプである。

もし夫が「ジャンプで描かないの?」や「ワンピースみたいな漫画描いたら?」とか言い出したら、この結婚は不幸な結果に終わっただろう。

 

結局、超インドア派とアウトドア派、家でもきちんと派と家ではゴリラ派が結婚しても、お互いにそれを強要しなければ、少なくとも不幸は起きないのかもしれない。

Text/カレー沢薫

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