いくらイケボでも一緒にいられない「結婚の条件」/カレー沢薫

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毎日充実している。

 

何故なら、この疲弊を充実なのだと錯覚させないと即死するからだ。

休みが欲しいが担当が18人ぐらいいる。そいつら一人一人と休み交渉をするだけで疲れるので、殺した方が早いし体力も使わない。むしろ担当殺して元気ハツラツオロナミンCだ。

 

なのに、なんで参加申込しちまったかな、FGOの同人誌即売会に。

 

サークル参加申込をした、ということは本を出さなければいけない。つまり原稿を休んで原稿を描きたいと言っているのだ。どうかしている。

 

しかし、人生には楽しみが必要だ。

まず日中は「セミの抜け殻がしゃべった」でお馴染みの、生気ゼロ顔で生活している。

 

唯一楽しみであるソシャゲもFGOで言えば、1月に5万出して坂田金時が出ず、3月に10万溶かして土方歳三がでず、その後金時が出て若干上方修正されたが、さらにそのあと、51分の1で土方さんが出るという計算上100%出るはずのガチャで土方さんを出せず、希望にしていた男性水着キャラは登場さえもしなかった。

 

生きているのが不思議だ。

 

世を儚まない理由が一つもない、セミの抜け殻の割にはタフな一面がある。

しかし粉々に砕け散って茶色い粉になるのは時間の問題だ。早急に回復しなければいけない。

 

だから同人誌即売会に行き、推しの本を大量に買わねばならぬ。それが、ここ数年、年に1、2度、私のホイミ、またはケアルとなっているのだ。

 

「推しのDB(ドスケベブック)がしこたま入ったトートバッグの紐が肩に食い込む痛みだけが俺のリアル」

 

インタビューにはそう答えるつもりだが、誰もしてこないので、今のところ壁にそう言っている。

 

もちろん、片方ではない両肩だ。片方にだけ重いものを持たせると骨盤が歪む恐れがある。そういった「女子力」観点でも、DBは両肩均等に負荷がかかる量買わなければいけないのだ。軽すぎてもいけない。感じる「リアル」が弱くなる。

 

もちろん宅配で自宅に送るという選択肢もあるが、それはしない。

「DBが読める明日が来ると思うのは甘え」

 

明日になれば家にDBが届き、読める、などと考えるのは、平和ボケとしか言いようがない。明日が来る保障はどこにもないならば「今日中に持って帰って今日中に読む」以外の選択肢はない。

 

このように一番の楽しみは買い物だが、自分の本を売るのも楽しい。原稿を描くのは一概に楽しいとは言えないが、本が出来て人が買ってくれるのは楽しい。その本がその日のうちにヤフオクに出ていなければ。

 

毎回、刀剣乱舞のイベントに出ていたが今回ははじめてFGOのイベントに出る。

ちなみに土方さんの本を出す。出てないけど出す。別に持ってないキャラの本を出してもダメと言う法律はないだろう。

 

と思ったらあるらしい。

なんでも「持ってないキャラを描いたり本を出したりするのは不敬である」という意見があるそうだ。

実際言っている人を見たわけではないので、もしかしたらネタなのかもしれないが、それにしても過激派である。

しかし、不敬とは何に対して敬がないのか、そのキャラにか。

 

だったらそのキャラに言ってもらわねえと言うことは聞けねえな。

 

当たり前だ。

本人が不愉快と言うならやめる。つまりCV星野貴紀で「持ってねえなら描くな!」と言われたら、私は描きかけの原稿が入ったPCを斧でカチ割り、イベント当日何もない机を前に、膝に石を乗せて終了時間まで座っている。

 

それに貴様らは知らないかもしれないが、世の中には「イケボの言うこと以外は聞かなくていい」という法律がある。

馬鹿なと思うかもしれないが、持ってないキャラは描いてはいけないという法がまかり通る世界線ならこれも余裕で通るだろう。

 

 

というわけで今回のテーマは「結婚の条件」だ。

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