新しい友達なんていらないと思ってた/カレー沢薫

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今回のテーマは無視する。

テーマを無視しがちな私だが今回は「無職になったら夫としたいこと」という、私以外でもシカトする、史上空前にすごいテーマなので、自然の摂理、宇宙の法則として無視する。次回にでも書く。

 

それよりも、この連載と、他所でやっていた「オタク沼地獄」というコラムが1冊の本になった。

 

しかし、そんなことはどうでもいい。

 

この本の販促POPに、FGOの土方歳三役、星野貴紀さんからコメントをいただいたのだ。

さらっと書いたが、この間に感極まって吐いたゲロの回数は、食ったパンの枚数以上に覚えていない。

 

星野さんが、オタク沼地獄のコラムを読んでくださっていたのはツイッターで知っていた。それを知ったときはもちろん吐いたし、ありがとうよりごめんなさいが出た。

 

しかし、それを意識してしまうと「だんだん空気が春めいてまいりました、季節の変わり目は体調を崩しやすいと言います、皆様もお体には十分お気をつけて」とJALの機内放送みたいなことしか書けなくなる。

 

よって「馬鹿野郎!中の人が怖くてこんなキティGUYコラムが書けるか!ここが新撰組だ!」と、最後まで「誰も見てなくても、もっと気を使って書く」という内容で書いた。

 

ちなみにキティGUYとはキティちゃんが好きな男性のことだ、つまりサンリオ男子みたいなものである。

 

そして本になる段階で、POPに著名人からコメントをもらいましょうという話になった。

本人にバリューがない時、嘘でもいいから有名な人に褒めてもらって箔をつける、というのはよくある販促方法である。

そこで、ワンチャンあるのでは、と星野さんのコメントを頼んでもらったところ、快諾をいただけた次第である。

 

それを聞いたとき心から「もういい」と思った。

 

本の出来とか、売上げとか、チャチなレベルではない。「全部もういい。十分だ」と。

人生が完全にロスタイムに入った。仮にここから5兆点入れられても「もういい」のだ。

 

しかし、実際にコメントを貰うまで、私が病院で見ている夢、という可能性もある。

だから慎重に待っていた。慎重にする意味はわからないが、とにかく、何者かに背後をとられないようにして待っていた。

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