紫原明子×柳下恭平が考える、現代女性と家族の在りかた『家族無計画』トークイベントVOL.1

柳下恭平さん×紫原明子さん
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――「正しい家族」は、もうやめた。

結婚、出産、そして離婚。そこに散りばめられた現代女性をとりまくデリケートな問題に切り込み、“家族”という共同体の在りかたを独自の視点で描いた『家族無計画』(朝日出版社)。エッセイスト・紫原明子さん初の著作となる、家族論エッセイだ。

刊行を記念して開催されることになった連続トーク企画『明子の部屋』では、毎回個性豊かなゲストを招き、“家族の在りかた”についてトークを繰り広げていく。

神楽坂にある「カモメブックス」でおこなわれた第1回は、同店の店長で校閲会社「鴎来堂」の代表でもある柳下恭平さんをゲストに迎え、世の中で家族が置かれている状況や、新しい家族のカタチについて、ざっくばらんに語り合った。

終始笑いに包まれた会場の様子をお伝えしたい。

 

柳下恭平さん×紫原明子さん

柳下恭平さん×紫原明子さん

特殊な経歴を持つ柳下恭平氏

紫原明子さん(以下、明子):柳下さんは特殊な経歴をお持ちなんですよね。ホストをやっていたり、家を持たずに生活したり、彼女と別れた後に新宿を放浪したり……。私が最近聞いた中で、いちばんパンチの効いた経歴をお持ちのかたです。

 

柳下恭平さん(以下、柳下):19歳から20歳にかけて、8か月ほどシドニーに滞在していたんですけど、別の街も見たくなって深夜バスを乗り継いだら、この世の終わりみたいな場所にたどり着いたことがあります。地平線の彼方まで続くズッキーニ畑に運ばれて、農業奴隷として収穫を手伝いました。

 

明子:こういう話がたくさんあるんですよ! 柳下さんも本を書いたらいいと思います。

 

柳下:本屋さんはやっているんですけど(笑)。本が世に出る前に間違いを見つける“校閲”という仕事もしています。

 

明子『家族無計画』を書くときも編集の人が全部の事実を確認してくれたんですけど、そういう事実確認のプロということですよね。真実を追求するために二元論的に世の中を見ていらっしゃるのかと思ったら、実はもっと奥深いお仕事で、「事実はひとつじゃない」というのを聞いてすごくびっくりしたんです。

 

柳下:そう、本当にリベラルですね。最終的には著者さんが書きたいように書けるのがいちばんいいと思うんですけど。

 

明子:過去に奥深い経験をなさったからこそ、校閲のお仕事に幅を持って挑めているんですかね。

 

柳下:そう言われるとそんな気がしてきました(笑)。自己否定はできるようになりましたね。「違う見方をしてみたらいいんじゃないか」とか。自己否定って難しい。自分の財産は捨てられないじゃないですか、誰でも。それが意識的にしたいと思えたのは、校閲の仕事をしていたからかもしれませんね。

 

明子:そしてここ「かもめブックス」もはじめられて。それも、元あった本屋さんを閉店させないためにって、柳下さんが。

 

柳下:美談っぽく聞こえるのは苦手なのですが(笑)、事実的にはそうです。本を作る仕事なので、本屋さんがなくなったら作れなくなっちゃうじゃないですか。


 

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