個人の体験がパッケージされて、本になっていくこと/紫原明子×柳下恭平『家族無計画』イベントレポVol.2

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セックスレスとキャバクラと六本木

柳下さんと家入さん
柳下:『家族無計画』って、女性の読者のほうが多いんですかね?

 

明子:いただいた感想を見ているとそんな感じですね。男性って、どんな目で読んでくださっているんですか?

 

柳下:僕は普通におもしろかったですけどね。出産のこととか、へ~! と思いながら読んでいました。いきなり宇宙の話になったりするから、その飛びかたがすごいなって(笑)。

 

明子:私の秘部が切れた話ですね(笑)。下品な表現が嫌いというか、もっと精神性高く性について語りたいっていう気持ちがあったんです。

 

柳下:大丈夫? 過大公告になっていません?(笑)。そんな高尚な話でもなかった気がするんですけど。

 

明子:あはは(笑)。この本の中で、男性の性欲をロケットに、受け止める女性を宇宙に例えているシーンがあるんです。男性が宇宙にやってこないことを、結婚して熟練の奥様たちはだんだん寂しくなるって話で、「ロケット来ないな」って恋い焦がれる宇宙の寂しさという崇高な表現でセックスレスを語れたなっていう(笑)。精神性高くないですか?

 

柳下:そういう自画自賛だったんですね(笑)。ただ、一瞬ここで止まるんですよ。それまで一度も宇宙が出てこないのに突然始まるから。僕3度見したもんな。あともう1個頭おかしいって思ったところがあったんだ。

 

明子:頭おかしいって!(笑)

 

柳下:「奥さまキャバクラに潜入」のところ。朗読すると、『頼れる友人に早速、六本木のキャバクラへ連れて行ってもらうことになったのだ。余談だが、私はその日、子どもたちのために寿司の出前を頼んだ』。ここ。すごいジャンプなんですよね。理論を積み重ねた先のジャンプではなく、感性のジャンプがあって理論もない、みたいな(笑)。

 

明子:あ~、専門家の分析すごいなぁ!

 

柳下:いやいや、読者は誰でもここで一瞬「おお?」ってなると思いますよ。なんだったんですか? これ、寿司って。その後のお子さんとのやりとりも本当に余談なんですよ、この4行。何にも繋がらないのに、心理描写だけあるんですよね。

 

明子:本当ですね~(笑)。キャバクラっていうのは“うちの資産を吸い取った魔窟”みたいな先入観があるんですよ。六本木というのは、家のお金を多分何億か取っているんで。だから、いわゆる“敵陣”なんです。

 

柳下:そういうことだったんですね。

 

明子:食事でも六本木に行くことってないのに、そこに私が初めて、しかもキャバクラに行くっていうのは、「いざ、出陣!」みたいな感じだったんです(笑)。

 

◆最終回となる次回は、23日(金・祝)に公開予定です

 

Text/千葉こころ

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