紫原明子さんが考える、現代女性と家族の在りかた/『家族無計画』刊行記念トークイベントレポ・Vol.3

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柳下さんと紫原さん

 

――「正しい家族」は、もうやめた。

結婚、出産、そして離婚。そこに散りばめられた現代女性をとりまくデリケートな問題に切り込み、“家族”という共同体の在りかたを独自の視点で描いた『家族無計画』(朝日出版社)。エッセイスト・紫原明子さん初の著作となる、家族論エッセイだ。
刊行を記念して開催されることになった連続トーク企画『明子の部屋』では、毎回個性豊かなゲストを招き、“家族の在りかた”についてトークを繰り広げていく。
神楽坂にある「カモメブックス」でおこなわれた第1回は、同店の店長で校閲会社「鴎来堂」の代表でもある柳下恭平さんをゲストに迎え、世の中で家族が置かれている状況や、新しい家族のカタチについて、ざっくばらんに語り合った。
終始笑いに包まれた会場の様子をお伝えしたい。

前回の様子はこちらから!

 

核家族化が生んだ現代女性の生きづらさ

 

紫原さん

 

柳下恭平さん(以下、柳下)『家族無計画』のなかで、依存できることが自立だって書いてましたよね。

 

紫原明子さん(以下、明子):「依存先を複数持っていることが自立」っていう熊谷晋一郎さんという方の言葉があって、全部自力でやろうとすることじゃないんだなって。努力と偶然ってあるじゃないですか。半分は努力でなんとかなるけど、もう半分は、ムリなことはムリ。100%努力では何にもならないんですよね。でも、「努力でなんとかできる」って思いすぎじゃないですか? 特に女性って、その圧力がすごい気がするんです。

 

柳下:ジェンダー論にもなりますよね。

 

明子:ジェンダー論として語るには不勉強なので、あくまで個人的な考えとして。やっぱり、女性が仕事をもって、家族をもつ、ただ生きるだけで、自分が女性であることが少なからず課題になると感じます。妊娠、出産は女性にしかできないし、離婚した後の負担も女性の方が大きい場合は少なくありません。そんな中でも、『女性のカワイイは作れる』って言われてるくらいだから、責任転嫁したり諦めたりもできない。努力至上主義なんで私たち、マジで大変ですよ!

 

柳下:確かに、僕ら化粧はしないですもんね。考えたことなかったなぁ~。

 

明子:男性は『カッコイイは作れる』とか言われないですもんね。

 

柳下:ん~。僕、女々しい女性って会ったことないんですよね。ようするに、女々しいのって男性なんですよ。なんですけど、頑張って男を代表して言わせてもらうと、女性が不利っていうのは、家族の単位が小さくなっているからだと思うんです。例えば岐阜の合掌造りみたいに、地域や数世帯が一緒に住んでいるようなところだったら、違った家族のつくり方になると思うんですよね。

 

明子:1軒にみんなで住むんですか?

 

柳下:あの大きな家を維持するためなんですけど、一緒に住む人はそれぞれが自分の役割を持っていて、分業制なんです。いってみれば、会社みたいなもんですよね。だから、「いつ出産しよう」とかがないんです。でも今は、ひとつのマンションにお父ちゃんとお母ちゃんとお子さんしかいない状態で、同じように所帯を運営していこうとしているでしょ。だから役割をセパレートしたときに、リスクっていう話になってくる。決していい字面とは思いませんけど、「嫁」が女偏に家って書くのは、その時代に核家族ではなかったからなんですよ。

 

明子:表に出る人と家を守る人とが何人ずつかいて、うまく回っていく。確かに大勢で暮らすと助かることはありますよね。

 

柳下:そうです、そうです。その代り、プライベートの考えかたも今とは当然違うでしょうけど。そもそも、いろいろなものがシフトしていて、戻れなくなっていますよね。

 

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