自分が鬼になりたくないから…。しつけを「委託」してきたツケ/旦那さまは貴族(山田ルイ53世)

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「叱らずしつけ」とは

先日。

 

とあるテレビ番組の収録に参加した。

 

子育てを主題に据えたバラエティーショーである。

 

 

“ママタレ”や“イクメン”と呼ばれる芸能人達の素敵過ぎる子育てエピソードの数々に少々胸焼けしたが、収穫もあった。

 

 

番組には、おじさんでありながら“ママ”と名乗る、例の教育評論家の先生も出演しており、彼に著書を頂いたのである。

有難い。

 

 

 

 

帰宅し、早速妻に渡した。

彼女も自分の子育てについて、思う所があったのだろう。

熱心に目を通し始める。

 

すると、

 

「トトトトト…」

 

駆け寄ってくる影が一つ。

 

娘である。

 

妻がお土産を貰ったのだと勘違いした彼女は、

 

「ねーねー!みせてみせてーー!!」

 

妻に纏わりつき始めた。

 

「これ字ばっかりだから、ももちゃん面白くないよ!?」

 

「絵本じゃないから!ね?」

 

暫くは、娘を優しく窘めていた妻も、あまりのしつこさに、

 

「やめなさい!ママが本読んでるの分からないの!?」

 

遂に苛々のダムは決壊。

 

 

続けて、手にした本を叩きつけながら、

「鬼来るよ!!!」

もはや伝家の宝刀。

「出た――――――――!」

僕は頭の中で、何かと大袈裟な昨今のアナウンサーよろしく実況する。

 

 

泣き叫ぶ娘。

寝室へと引っ込む妻。

僕は、床に打ち捨てられた件の本、『尾木ママの叱らずしつけ』を拾い上げる。

「コツと言うには、21は多過ぎる…」

そんなことを考えながら溜息を吐いた。

 

以来僕は、“鬼来るよ”を封印した。

代わりに重宝しているのが、

「サンタ来ないよ!」

である。

委託先を変えただけだが、子供にとっては、幾分かましだろう。

Text/山田ルイ53世

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