魔法少女になった娘(4歳)が手を出した「禁断の魔法」/山田ルイ53世(髭男爵)

娘作の“魔法の杖”
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難易度があがっていく魔法

次第に自信を深め、魔法を乱発するようになってしまった娘。

しかも性質の悪いことに、語彙が日々増え、発想も豊かに。

子供の成長速度は侮れない。

 

「凍れ!」

「溶けろ!」

「玄関まで運べー!」

 

もはやただの“命令”である。

先日など、かの“PPAP”を自宅リビングにて全力でやらされた…地獄である。

挙句の果てには、

 

「パパがママに、ママがパパになれ―!」

 

最高難易度の“入れ替わり”の魔法まで。

(映画を観ていない四歳の子供ですら、本能的に“入れ替わり”という事象に面白みを嗅ぎ取っているのか…そりゃ、「君の名は。」もヒットするわ…)

そんな毒にも薬にもならぬ考察に一人思いを巡らす。

 

洗濯物を干す手を止めることなく、

「…やんない!」

案の定冷たくスル―した妻の分まで、僕が頑張らなければなるまい。

小鼻と頬を膨らまし、不機嫌な時の妻の顔真似をすると、キャッキャと喜ぶ娘。

勿論、妻の死角で披露する。

いつ彼女に覗きこまれるかと思うと、気が気ではない。

万が一見咎められれば、モノマネ番組の御本人登場など比較にならないほど恐縮しなければならない。

 

“サリーちゃん”や“エスパー魔美”の父親達が、尋常ならざる力を持った娘とどう付き合っていたのか、一度酒でも酌み交わしながらご教授願いたいものだが、僕にも“信条”はある。

 

「子供の言動には、必ず、リアクションする!」

 

“子育て”に関する、僕の唯一のこだわり。

人間、寂しい思いをするのは、周囲のリアクションがない時。

“お笑い芸人”という職業柄、それは父が一番知っている。

芸人で言えば、“スベった”のと同じ。

娘を、スベらせたい親など存在しない。

「世界はいつもお前に反応(リアクション)する!」

「常に君を見ている!」

実社会に出れば、只の絵空事に過ぎぬが、僕の庇護の元にいる間だけでも、彼女にはそう信じて暮らして欲しいのだ。

それが僕の使える唯一の“魔法”である…と素敵に言い回した所で、娘の暴走が止まるわけではない。

強大な力を手にした人間のお決まりのコースである。

娘が手を出した「禁断の魔法」

 

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