水谷さるころ×犬山紙子/「養ってもらえない」と思われるべし!共働き夫婦の生きる道
「秘密の我慢」は禁止!
Photo:犬山紙子
―やはり、家事の分担って共働き夫婦には大きな課題ですよね。
S:うちはお互い得意な家事をやることでフェアにしてます。私は掃除、夫は料理。
―さるころさんは、著作で「家事の成功設定値を押し付けない」と描かれていましたよね。
S:そうです。私の基準では「片付いてない」と感じても、彼は片付いたとは思ってる。彼の家事を不満に思わず「彼はここまででいいんだ」と納得してから、追加で片付けます。
人って、納得してやることは不満に思わないじゃないですか。
I:大事なことだ…。
S:でも、これは全部一回目の結婚で失敗して学んだことなんですよ(笑)。
―他にも、失敗から生まれたルールはありますか?
S:著作でも描きましたが、「秘密のガマンは禁止」。
相手の提案を不満に思っているのに黙っていると、うまくいかなかったとき「譲ってあげたのに!」って思っちゃいますよね。そうならないため、不満は逐一言ってほしいと伝えました。
お互いもう失敗したくないので、前の結婚の失敗から学んだことは、再婚前にとことん話し合いましたね。
I:私も結婚を視野に入れたとき、徹底的に話し合いました。
まず、私のなかで「結婚って制度は異常」っていう思いがあったんです。だって、ずっと同じ人と関係を繋ぎ続けることを約束するのですから。人ってタイミングタイミングで仲良くなったり、ちょっと離れたりがあるものなのに、ずっと一緒なんてそんなのかなり難しい。今の社会で生きていく上では結婚していたほうが楽だけど、人の本質を考えるとむしろイレギュラーな状態で、楽観視はできない。だから、本気で対策をしっかり練って、しかも臨機応変に対応しなければいけないぞ!? と思ったんですね。
―どんな話し合いをされたんですか?
I:基本は「コミュニケーション」だと思うので、話し合うことは、つらいこと、しんどいことじゃないよっていう意識の共有です。話し合いをするというと「できるなら避けたい」って思ってしまう、その空気を取り払う作業ですね。夫婦間で言いにくいから話し合えずに不満を貯めるのが不和の一歩だと思っていて、話し合いは必須なんですよね。だから、話し合いの時に感情的にならないようにする、嫌なイメージをお互いつけない。冷静に、相手をお互い認めているという前提で話を進める。我が家は、夫はおとなしく、自分に非がなくても、自分が悪いと思っちゃうようなタイプ。反対に私が言いたいことを言うタイプなので、夫が言いたいことを溜め込まないように気をつけています。「なんか辛いことはない?」「最近、こうだったらいいなと思ったことある?」ってヒアリングをこまめにしてます。
S:そういうコミュニケーションって大事ですよね。
I:「夫を怒らない、追い詰めない」が我が家のルールかもしれないです(笑)。
だから、夫の家事にも文句を言わない。だって、夫も私の仕事に文句は言わないですもん。文句でなく、提案があれば、まず夫の話を聞いてから。
S:世のお母さん方の不満も、犬山さんが旦那さんだったら解決しそう(笑)。すごくフェアで素敵なご夫婦だと思います。
やっぱり、結婚生活って「女の人が不利になりがち」じゃないですか。でも、だからって、同じことを男性に対してやっていいわけじゃないですよね。
「自分がされて嫌なことは、相手にもしない」っていう基本を守ることが大事なんでしょうね。