人間だとバレてしまった…!本物の仔猫がやってきて/元鈴木さん
以前書いたように、私はゴリラから『ねこちゃん』と呼ばれ色んなワガママを許されてきた。
だが、そんな私達のもとへ本物の仔猫がやってきたことで、関係に大きな変化が生まれた。
今回は仔猫が来た経緯と、私達夫婦の変化について書こうと思う。
溝に落ちて鳴いていた小さな仔猫
私が事務所を構えているのは猫が沢山いる地域で、いつもどこかしらで猫が鳴いていた。
しかし、その日いつもと違ったのは、鳴いているのが親猫と仔猫の2匹だったことだ。
仔猫がひっきりなしに「ミィー!」と鳴き、それに対して親と思われる猫が「ニャーオ」と答えていた。
最初は「会話なんかして可愛い親子ですね」と思っていた私だったが、3時間も仔猫が鳴いているのを聞くうちに、何かがおかしいことに気づいた。仔猫が鳴き通しなのだ。
「親猫がいるのに仔猫ってあんなに鳴くだろうか…」
そう思っていると、いつの間にか親猫の声が聞こえなくなっていた。
仕事を終えて帰る際にも、まだ仔猫はどこかで鳴いていた。
私は気になって仕方ないので、声のする場所を探して、事務所の裏のビルとビルの間に入って行った。
すると、仔猫の鳴き声はどう考えてもガラクタ置き場から聞こえていた。だが、声はしてもなぜか仔猫の姿は見えない。まさかと思いつつ敷物をめくってみると、そこには鉄製の側溝のフタのようなものがあり、その下からか細い「ミィー」という声が聞こえたのだ。
すぐに私だけでは助けられないと悟り、消防署に「すみませんが猫を助けてください」と連絡をしたのだった。
(仔猫を探す消防団の方々。溝の深さは170cmくらいあった。)
10分もすると消防団員の方が3名到着し、側溝の蓋を開け仔猫を助け出して下さった。
そこは大人の男性1人がすっぽり入ってしまうほどの深さで、子猫は小さかったため蓋の隙間から下に滑り落ちてしまったのだ。 幸い仔猫に怪我はなく、事務所にあったアマゾンの空箱とブランケットが入った箱の中に入れると、震えていたがおとなしくなった。
仔猫は救出されるまで、少なくとも6時間は鳴き続けていたため疲れているようだった。一緒に鳴いていた母猫は、多分粘っても自分では助けられないと諦めたのだろうと思った。
その後、夜間の緊急病院に行ってから自宅に帰ると、犬派のゴリラが「ついに猫が来てしまったか…!」という顔をして待っていたのであった。
猫派の私の力技勝利である。
こうして我が家に本物の仔猫ちゃんがやって来た。
現在、私はインスタのストーリーズで仔猫の動画を毎日垂れ流している。
ちなみに犬派のゴリラも、1週間たたずに「パパでちゅよ…」と宣言するほど、夫婦で溺愛しメロメロになっている。
さて、こう書くと平穏に見えるが、仔猫が来たことで私達夫婦に思いも寄らぬ変化が生まれることとなったのだ。