奥様、家内、ママ…私を取り巻く呼び名と不安感の正体/元鈴木さん

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呼び名が表すもの

motosuzuki142

 

現在の私は、無事に誰からもまりっぺと呼ばれていない。

 

 

代わりに、夫のことをゴリラと呼び、彼は私のことをねこちゃんと呼んでいる。

 

時折「夫のことをゴリラだなんてひどい」と槍玉に挙げられることがあるが、そもそもチームでのあだ名がゴリラ由来のものだったのが始まりだ。

 

 

ゴリラは強くたくましく大きい生き物だ。

 

 

人間でいる限り、ゴリラほどの力強さを出す事は到底できない。

それをあだ名にもらう事は、アメリカンフットボールをしているパワー系選手のゴリラからしたら、とても光栄なことだと感じているらしい。

 

「だってゴリラの握力は1tとかなんだよ!」

と、付き合い始めの頃に、ゴリラはうれしそうに説明したものだった。

 

 

一方、私はねこちゃんだ。

 

うっかり熱いものを持った時に出た声が「ギャーゥ!!」で、しっぽを踏まれた猫の声にそっくりだったことからついたあだ名である。

 

私は猫が大好きだし、読んで字のごとく猫かわいがりをされたかったので、ありがたくねこちゃんを名乗ることにした。

 

 

このように、呼び名というものは、存在やアイデンティティーを認識するためのものでもあるのだ。

 

押し付けられる肩書き

 

肩書きを他人から押し付けられることもある。

 

訪問販売員がチャイムを鳴らして「ご主人はご在宅ですか?」と聞いてくるときには、望んでもいないのに私に新しいアイデンティティーが加えられる。

 

夫のことを『主人』と呼ぶことで、私は途端に『主人に属するパーツ的な何か』になってしまうのだ。

 

 

ハリーポッターの屋敷妖精ドビーのような気持ちになり

「ご主人様はお仕事でございます…ドビーめはご主人様一家に死ぬまで仕えるのでございます…」

と作品のワンシーンを思い出しては切なくなる。

 

 

 

私は決定権のない弱い何かなのか?この人は私のことを何だと思っているのだろうか?

と、急にその人から見た私の立場について考えてしまい、望まない役割りを押し付けられた気持ちになるから嫌なのだろう。

 

 

 

屋敷妖精以外では、「いよっ!経営者!」などが例として挙げられる。

 

 

プライベートや仕事が関係のない時に「さすが社長!」などと呼ばれると、急に冷静になってさめてしまう、という意見を経営者から聞いたことがある。

 

これには、私も同じことをしてしまったことがあったなとドキッとした。

 

 

確かに、オフ中に仕事での肩書きを急に意識させられれば、気持ちが現実に引き戻されるのも納得いく。

 

 

言った方は悪気がなくても、こういった社会的立場が関係する呼び名には、気持ちを窮屈にさせることがあるのだ。

 

 

呼び名で最もデリケートなのは、他人から見た立場が絡んだ場合かもしれない。

時と場合に合っていなかったり、自分で自覚していない呼び名を押し付けられることは、あまり気持ちが良いものでは無いのだ。

 

 

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