「ごめん」と言えない関係に未来はない話/元鈴木さん
「私は絶対に間違っていない」が傷つけているもの
以前の記事でも書いたように、私たち夫婦はつまらない理由で喧嘩をすることがあった。
私はゴリラより口が達者なため、なんやかんやと揚げ足を取り言い負かすことが多かったが、
そうやって言い負かされても彼は「そうだね〜ごめんね、ねこちゃん(私のことである)は正しいね〜」と子供をあやすように対応することが多かった。
私はそんな彼の優しさに甘えていたのだと思う。
ある日、つまらない小さなケンカをしたときのことだった。
いつものように私が自分に都合良く言い返した後に、下を向いてゴリラが
「そうだね、ねこちゃんが全部正しいし俺は間違ってるよね。俺が馬鹿だからわかんないのが悪いよね」
と言ったのだ。
私は「このままではいけない」と思った。
愛する人を、自己否定に追い込んだのは、紛れもなく私だった。
そして多分、今までの私は他人を同じように追い詰めていた。
ゴリラほど素直に悲しい気持ちを言い表した人がいなかったため、私はその事実に気づけなかったのだ。
私が自分の非を認められる人間に変わらなければ、今後も自分の大切な人を傷つけ続けることになる。
もしかすると大人だけでなく、いずれ産むかもしれない子供に、私のような怒りに満ちた人生を歩ませてしまうかもしれない。
私は自分の未熟さに気づいてしまった以上、変わらなければならなかった。