「食べられるヨ!」絵本の中みたいなロシア生活/シベリカ子
P氏と一緒に歩いていると、道端に生えているザクロ(小さくて目立たない)や、キノコ(草に隠れている)をやたら目ざとく見つけるなあと思ってはいました。
ときには、名前もわからないような赤くて小さい実を「食べられるヨ!」と言って食べることがあったものの、そんなにお腹が空いているのか…と哀れむくらいで、さほど気にしていませんでした。
が、そんなP氏の行動の理由がロシアに住んでみてわかりました。
ロシア人は夏になるとダーチャという郊外の自然の中に建てた別荘で過ごすことが多く、
ダーチャの近くの森に出かけてベリーをとったりキノコ狩りをしたり
そんでそれでジャムやキノコ料理を作ったり
…という、ロシアの絵本の中のようなことを現実に行っているのでした。
それを知ってから、P氏の行動に合点がいくようになりました。子供の頃からの習慣で、無意識に木の実やキノコを見つけてしまうのだと…。
合点がいくようにはなったけれど、いま私達が住んでいるのは東京。森もなければダーチャもない。
そんなコンクリートジャングルで道端の木の実を収穫するよりは、コンビニやスーパーでもっとおいしい果物を買ったほうがいいのではないかな、と、埼玉の住宅街で自然に囲まれず育った私は思ってしまうのでした。
Text/シベリカ子
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