二時間しかバカンスにいけない「いい嫁」問題…物語の脇役という悲しい自意識

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 不倫の歌にすら「いい嫁」の圧

まぁ、いいでしょう。

私も酸いも甘いもいっちょ噛みしたアラフォーですよ。あの思春期の香りがする少女だった宇多田ヒカルがねぇ、すっかり大人になってねぇ、不倫の歌なんて歌うようになったのね。

 

 

私も老けるはずだわ〜、って、そこは結構流せました。

私がビックリしたの、そこじゃないんですよ。

ビックリしたのはこの主人公が、全然「ダラ嫁」じゃない、ってとこなんすよ。

 

 

なにも私が、結婚していながら(まだ学生であろう若い男の子と)不倫するような女は、家事も育児もちゃんとやってないビッチに決まってる! と偏見を持ってるんじゃないですよ?

 

 

そうじゃなくて、嫁は「ちゃんとしてる」のが前提、ってことに、ショックを受けたんです。

 

 

不倫の歌にすら、「いい嫁」の圧がある! と。

 

 

さっき私、便宜上「主人公」って書きましたが、この歌に登場する女性は、自分のことを<<物語の脇役>>だって宣言してるんです。

 

じゃ彼女の物語の主役は誰なんだろう。おそらく、まだ手のかかる小さいお子さんがいるのかな。それとも、旦那さんが多忙を極めていて、その生活をサポートするために自分はハウスキーパーとして陰ながら支えている認識なのかもしれませんね。

 

 

そしてきっと、平日に<<授業をサボっ>>た<<僕>>と二時間の逢い引きができるのですから、知恵袋界のヒエラルキートップに属する「専業主婦」なのでしょう。

 

 

私のように暇なフリーランス、という可能性もありますが、それであれば<<日常>>を<<優しい>>と表する心の余裕を持つことはかなり難しいでしょうから、その可能性は低いですね。(と書いてて虚しくなりました)

 

 

そう。ここでは、朝昼晩とがんばっていて忙しいからこそ、たまには息抜きに二時間だけ男の子と遊んでいる、ということが歌われているのです。

う、うん………。お、お疲れ…。

 

なんだろう…この、毎日家のことを頑張ってない嫁が不倫するのはタブーどころか、そんなことはあるわけがない、と分母にすら入れてもらえてない感じ。(そもそも誰であろうが不倫はタブーだけど!)

ストレスでブッ壊れない程度に、たまになら、息抜きするのもアリじゃない?

だけど二時間で帰ってきなよ? 楽しみすぎたらアカンよ? 身を滅ぼすよ? って、<<一度きりの人生ですもの>>と言いつつ、牽制フレーズ多くない!?

 

 

ひ、ひえぇええええ!

 

 

誤解のないようわざわざ書きますが、私は、どんな理由であれ不倫には絶対反対です。浮気願望もありません。

 

 

でも、<<物語の脇役>>だなんて。なんて悲しい自意識なんだろう。

 

 

どんなに地味でつまらない人間だろうと、自分の人生くらい、自分が主役でいさせてくださいよ。それって、結婚したら許されないことなのでしょうか? 男の子と遊べなくてもいいから、私が私の物語の主役でいたい!

 

 

曲のことをdisってる感じになってしまいましたが、私は、この曲がとてもとても好き。

宇多田ヒカルが休業状態から結婚して母親になった、このタイミングで、この歌詞を書いたことにとても重要な意味を感じます。

 

 

「ダラ嫁」の私には耳が痛いフレーズに心が折れそうになるものの、この曲を聴いて私は、クローゼットの奥でドレスを眠らせない女になる、と心に誓いました。

 

 

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