旅館のおひつとしゃもじが象徴するジェンダーギャップ/ティナ助

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女が男の食事の世話を焼くこと

 

一言、せめて一言ね〜、「おひつとおしゃもじどうしましょうか? 奥様のお側へ置かせていただいてよろしいですか?」ってプレゼンがあったら違うよね。「デュフフフ、普段そんなことしないんですけどねー、今日は特別♡ デュフッ」とダラ嫁らしいアンサーの一つもかませるのにね。夫の方でも、旅館の女将という“他者”から自分の妻がどう見られているか、どう扱うべきと問われているか、その一言で気づくチャンスにもなるのにね。

 

でも旅館側はプレゼン抜きでとてもスマートにおひつとしゃもじを女性側においやるのです。

 

なぜならそれが“常識”だから。

 

上座だろうが下座だろうが、若い男とババアのカップルだろうが、「女が男の食事の世話を焼く」というのが世間の常識だから。まぁ旅館側のサービスマニュアルとして、いちいち関係性を問いかけるような会話を投げかけるのはタブー、ってのがあるのかもしれないけど。不倫かもしんないから空気読めよ、とかあるんだろうけどね。

twitterには、夫に「旅館でおひつなんて置かれたことないよね?」と言われてさらにショックを受けている妻の姿もありました。それに気づくことすらなく今日まで生きることができた男と、そういう一つ一つの圧に細かく傷つけられてきた女。これはもう飯の支度うんぬんの話ではない。日本海溝よりも深いジェンダーギャップの話なのです。この溝って埋まることあんのかな。埋められないとしても、「そこに溝、ありますよね!」と声高に叫んでいい世界にならないのかな。

 

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自称おもてなしの国、日本。そのホスピタリティ(と呼んでいいのかどうかわからないけど)は「格下の者は(女)目上の者(男)を気持ちよくせよ」という圧によって成り立っているところが大きいと思う。飲み会の席でのお酌は相変わらず女性(とくに若い女性)のタスクとされるし、女性に向けたファッション媒体ですら「愛され」や「モテ」というフレーズを駆使して「男より出過ぎない女」を礼賛している。

 

こういった男を喜ばせないような女には価値がない、という長年にわたる刷り込みが、家の仕事は女がやるもの、という雰囲気を作ってしまう。

 

20代から60代までの夫婦の60%以上が共働きであるにも関わらず、当たり前に家事負担の割合はほぼ女性、っておかしいだろ。私も自分のことを便宜上ダラ嫁なんて呼んでいるけども、家事が苦手な男性は別にダラ夫なんて呼ばれないもんな。地獄かな。

オリンピックまであと2年ちょい。この溝をどこまで埋めれるか、って考えると気が遠くなるけど、息子がいつか女の人と温泉旅館に行ったときには、「当然のこと」と流れるように美しくおひつを引き寄せて自分でご飯をよそえるように、今日も私は堂々と家事をサボります!(えーっ)

 

Text/ティナ助

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